(分担執筆, 範囲: 第8章 5節 創薬研究に有用なデータベースとその活用のポイント)
技術情報協会 2023年4月 (ISBN: 9784861049446)
東京情報大学 村上 洋一
大阪大学 長尾 知生子,水口 賢司
はじめに
創薬研究ではオープンになっているデータを効率的に収集して活用していくことが競争力を高める上で重要である。かつて大手製薬企業しか入手できなかったハイスループットスクリーニングデータは,オープンデータ化により中小製薬企業やアカデミア研究者も利用できるようになり,現在,創薬研究に有用なデータや情報が公共的に利用可能なデータベースに収録されている。本節では,特に創薬研究初期において有用なデータベースとして,化合物やタンパク質を中心とするデータベース,遺伝子発現データベース,統合データベース,文献データベースを紹介し,これらの特徴や主な活用方法について説明する。
5節 創薬研究に有用なデータベースとその活用のポイント
1.化合物を中心とするデータベース
1.1 世界最大級の化合物データベース:PubChem
1.2 手動でキュレーションされた生物活性を収録する化合物データベース:ChEMBL
1.3 その他,化合物を中心とする有用なデータベース
2.タンパク質を中心とするデータベース
2.1 タンパク質の配列データベース:UniProt
2.2 タンパク質の配列データベース:PDB, PDBbind
2.3 タンパク質の予測立体構造データベース:AlphaFold
3.遺伝子発現データベース
3.1 大規模な遺伝子発現データベース:GEO, Expression Atlas
3.2 毒性や疾患の理解のための遺伝子発現データベース構築プロジェクト:Open TG-GATEs, DrugMatrix, Tox21, CMap, L1000, GTEx
4.統合データベース
4.1 創薬ターゲットの発見を支援するデータベース:Open Targets, TargetMine
4.2 化合物の選択,最適化を支援するデータベース:Binding DB, CTD
5.文献データベース
5.1 生物医学分野の文献情報データベース:MEDLINE,PubMed
5.2 MeSH用語を用いた論文検索の実例
5.3 生命科学分野のプレプリントサーバー:bioRxiv,medRxiv
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